■住宅設計についての考え方

1.住まい手にフィットしていること

 

 豊かな住まいとは、ただ広く、豪華な素材を使うこと、ではありません。本当の意味での豊かな住まいとは、住まう人に合っていること、フィットしていることではないでしょうか。

じっくりと話し、住まう方のライフスタイルにフィットしたものを見つけ出し形にしていく。そんな設計を心がけています。

 

 例えば、一口に「自然素材」とか「高級素材」と言われているものがあったとしても、住まう人の体質や好みに合っていなければ何の価値も無いと思います。住まう人とじっくりと話して、その人のライフスタイルや趣味趣向に合ったものを見つけ出していく、そのプロセスが大事なのです。ですから、私は見た目で判断するような、「○○風」、「○○スタイル」の家というようなキーワードは持ちません。住まう人との対話の中で生まれたオンリーワンのものなのです。

ですから、設計事例の住まいのデザインも統一感はありません。ただ、一貫して見た目に対しても客観的にみてもバランスや雰囲気が良く、住まう人にとって最高のものを作りたいと思っています。

 

2.流行に流されず、永く使えるものを・・・

 

 雑誌、テレビ、インターネットなど、いろいろなメディアで住まいの事例を見ることが出来ます。住宅展示場もその一つでしょう。こういったものは流行に合わせて、短いスパンで変わっていきます。住まう人の好みも一定ではありません。日々の生活の中でいろいろな影響を受け変わっていくでしょう。ただ、人ぞれぞれに、あまり変わらない根底の好みの部分、「価値観」も持ち合わせています。

 住宅には、簡単に変えられる部分と、変えるのが大変な部分があります。おおまかには、内装仕上げ、家具、設備機器など比較的容易なもの、構造、外装、ゾーニングそのものや間取りの部分などの変えるとなると大変な部分に分けられます。前者は、仕様を決める段階の好みで、多少チャレンジしても良いと思います。せっかくの住まいづくりですから、遊びがあっても良いですよね。後者は慎重に。全ての性能、生活観に関わりますし、直すとなれば費用も大きく掛かります。

 あとで変えられない部分ほど、慎重な判断とデザイン的にも定番でシンプルな考え方で提案したいと思っています。ただ、全部シンプルでも寂しいので、住まいづくりスパイスとして、将来、簡単に変えられる部分で、アクセント(デザインだけでなく機能的な意味でも)として、チャレンジしても良いと考えます。

 

3.メンテナンス製

 

 一口にのメンテナンスといっても、3つの種類があります。

 .汚れに対して、②.色落ちに対して.破損に対して、です。

 よく、「メンテナンスフリー」という言葉を聞きますが、それらがごっちゃになっているような気がします・・・たとえば、屋根の陶器瓦や磁器タイルは、確かに色落ちは少ないですが、①汚れは付きますし、③破損もします。逆に自然素材と言われるものの中には、色落ちや汚れは付きやすく頻繁に何らかのメンテナンスが必要ですが、破損や汚れが起こったときに、表面を削ったり、塗装などによって、逆に長持ちするものもあります。

 そういった実際の素材の特色も踏まえて、住まう方の予算、性格に合わせて素材を決めていきたいと思います。

 

 

4.判断基準を整頓する事

 

 全てにおいて最終的に判断を下すのは住まい手(建主)です。判断の基準も基本的には住まい手の中にあります。しかし、住宅という多様な要素のあるジャンルで一から判断基準を考えることは、いくら楽しい住まいづくりとはいえ、負担になる場合もあります。設計者の仕事は、それらを整頓して、住まい手が選びやすい形にすることだと思います。

 

 判断基準は住まい手ですが、構造、法律、物理的なものなど、社会的要求もあります。デザインは個人の好みによる影響が大きいですが、客観的な部分も大事です。それらも住まい手が判断しやすい形に落とし込みます。

 

 

5.コストについて

 

予算管理も大切な役割と思っています。

住宅業界では、「坪単価」という言葉が横行していますが、あくまでも大まかな目安である上に、会社によってどこまでを含めて表示するかが様々で、業界として統一した基準がありません。

 

私の場合は、まず予算(融資条件など)をお聞きして、住まいづくりの総予算から建物にかける費用を設定します。その次に、建物の要望をお聞きするのですが、この段階では、あまりにも、予算にかけ離れた要望意外は、なるべく設計に盛り込んでいきます。希望の強い要望はなるべく最終的に残せるように調整しつつ、一度、設計をまとめて、見積りを取ります。この段階では、大体予算を大きくオーバーします。それから、それぞれの項目の見積り金額を見ながら予算に合うように削っていき、コストを合わせます。

最初の見積りの時点では予算オーバーしていて良いと思います。逆に最初から、予算に合わせようと思って、気になっている項目を設計に含めず見積りすると、その要望が、どのくらい予算的に無理だったのかわからないので、出来上がってからも「もしかしたら出来たかも・・・」と後悔につながります。

ですから、設計時点で、気になっている要望は全て吐き出す!つもりで、私に伝えてください。

  

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